Agricultural Chemicals
残留農薬
安心を見える化する残留農薬分析
2021年6月より、原則として、すべての食品等事業者はHACCPに沿った衛生管理に取り組むことが必要になりました。これまでは最終製品の一部分を抜き取って検査をする管理法が一般的でしたが、HACCPは原材料の入荷から、製造、出荷までの各工程において衛生管理をチェックし、問題のある製品の出荷を未然に防ぐシステムです。
農業や水産業のような食品採取業はHACCPに沿った衛生管理の制度化の対象外ですが、食品等事業者に原材料を供給する側として、適切な衛生管理の実施と原材料の分析証明書を持つことで高い評価が得られるものと考えられます。特に、農薬は、法律により使用基準、残留基準が定められています。また、それらの基準を遵守していても、意図しない近隣からの混入の可能性もあり、注意が必要です。
なお、こうした食品安全の考え方はGAP(農業生産工程管理)にも取り入れられています。
当協会は、厚生労働省の登録検査機関として毎年約7,000件の農作物の残留農薬検査を行ってきており、生産者の使用履歴に基づく個々の農薬の分析、一般的に使用頻度の高い多くの農薬を対象とした一斉分析により豊富な分析経験を有しております。本特設ページを通じて、当協会の残留農薬検査の紹介をいたします。
圃場からのサンプル採取
サンプルの採取時期や採取量に決まった規則はありません。作物の種類、圃場の立地、ロットの大きさ、農薬散布の状況、分析の目的等によって一様ではないからです。
一般的には、農薬は農作物全体に均一ではないため、圃場全体からS字やX字で偏りなく採取することが望ましいとされています。サンプル量については、例えば、CODEX規格(CAC/GL 33-1999)で農作物毎に重量や個数についての推奨量が示されています。
お困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
加工品原材料の残留農薬
加工食品の場合は、一部を除き残留農薬基準値が設定されていません。このため、加工前の原材料が残留農薬基準値以下であることが食品の安全を確保する上で重要となります。
輸入食材の場合は、本邦輸入時に自主検査や命令検査で残留農薬分析が行われている場合があります。
また、使用農薬の特定が困難な場合が多く、その場合は多成分一斉分析で網羅的に安全性を確認することもできます。
一方、国産の場合は、相対的にトレースしやすいため、エビデンスに基づいた個別分析の依頼割合がより高くなる傾向にあります。
測定対象
通常、農薬製剤(市販されている農薬商品)には殺虫や除草の有効成分のほかに、乳化剤のような添加剤や固着剤のような補助剤とよばれるものが含まれています。ポジティブリスト制度の下では、有効成分の部分について残留基準が定められています。したがって、分析の測定対象も有効成分となっており、製剤の特定はできません。
また、農薬商品によっては、複数の有効成分を含むものもあります。この場合、1種類の農薬商品を使用していても、測定対象が複数になることがあります。
個別分析と一斉分析
個別分析は、特定の成分にターゲットを絞って高い精度で測定できる反面、費用と時間がかかるデメリットもあります。一斉分析は、多くの成分を同時に測定できますが、成分によっては測定できないものもあります。
農産物の種類や農薬成分によって残留基準値が異なっているため、測定精度の高い個別分析が優れていることは言うまでもないことですが、実際には、出荷・加工までの時間にも制約があり、一斉分析によるスクリーニング検査の要望も少なくありません。
一斉分析であっても妥当性ガイドライン(厚生労働省)に従って信頼性を確保した試験法であり、それぞれの分析法の特徴を理解した上で、目的に合わせた使い分けが望ましいと言えるでしょう。
GAP(農業生産工程管理)に関する農薬分析
食品安全、環境保全、労働安全、人権保護、農場経営管理の5つの分野を満たす仕組みであるGAP(農業生産工程管理)では、農薬について適切な管理が必要とされています。
この「適切な管理」には検査による検証が含まれており、残留リスクの高い農薬検査や多成分一斉分析による検査を通じて、計画的に農薬使用の適切性を確認することとされています。
当協会は一般財団法人日本GAP協会の推奨検査機関として認定されております。
残留農薬の基準値
残留農薬の基準値を確認するには、公益財団法人日本食品化学研究振興財団が運営する「残留農薬基準値検索システム」が便利です。
多成分一斉分析料金表
汎用タイプの一斉分析パッケージ(当協会独自の項目設定)
検査対象 | 項目数 | 料金(税別) | 納期の目安 |
---|---|---|---|
農産物一般 | 244 | ¥40,000 | 5営業日 |
481 | ¥80,000 | 5営業日 |
検疫所モニタリング項目をベースにした一斉分析パッケージ
検査対象 | 項目数 | 料金(税別) | 納期の目安 |
---|---|---|---|
食 品 | 296 | ¥60,000 | 7営業日 |
野菜類 | 276 | ¥55,000 | 7営業日 |
果物類 | 241 | ¥55,000 | 7営業日 |
穀類等 | 234 | ¥55,000 | 7営業日 |
農林水産省の国内調査項目をベースにした一斉分析パッケージ
検査対象 | 項目数 | 料金(税別) | 納期の目安 |
---|---|---|---|
農産物一般 | 127 | ¥40,000 | 7営業日 |
注)項目数については随時見直しをしておりますので、ご検討の際はお問い合わせください。
分析業務受託約款への同意について
分析業務受託約款
第1条(目的)
第2条(適用)
第3条(個別契約の成立)
- (1) 委託者の要求に基づいて当協会が見積を提示し、委託者が承諾したとき
- (2) 当協会様式の分析試験依頼書による申込みに対し、当協会が受託を承諾したとき
- (3) 個別契約書の締結、その他分析試験の依頼に関するお申込みを当協会が承諾したとき
第4条(分析試験の方法)
第5条(委託料金等の支払い)
第6条(検体の取扱い)
第 7 条(分析試験結果の報告)
第 8 条(免責)
- (1) 当協会の費用負担のもとに分析試験の再実施を行う。
- (2) 委託料金を減額する。
- (3) 委託料金を上限として損害賠償を行う。
第9条(秘密保持)
- (1) 委託者から開示を受けた際、既に公知または公用となっていたもの
- (2) 委託者から開示を受ける以前に、当協会が既に適法に保有していたもの
- (3) 委託者から開示を受けた後に、当協会の責によらずに公知または公用となったもの
- (4) 当協会が、正当な権限を有する第三者から合法的かつ秘密保持義務を負うことなく入手したもの
- (5) 当協会が独自に開発した情報
第 10 条(証明書等の掲載使用)
第 11 条(業務の変更・中止)
第 12 条(反社会的勢力の排除)
- (1) 暴力団その他の反社会的勢力(以下「反社会的勢力」という)ではないこと。
- (2) 反社会的勢力に協力・関与並びに資金等を提供していないこと。
- (3) 反社会的勢力を利用しない、並びに暴力的行為、詐術・脅迫的言辞を用いないこと。
- (4) 役員、実質的に経営を支配する者、親会社または子会社の役員等が上記各号に当たらないこと。
第 13 条(協議事項)
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